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フラワースタジオアンレーゼ

坪内裕子

今回のスクール密着インタビューは、
flower studio Anlasse(フラワースタジオアンレーゼ)を主宰し、日本アーティフィシャルフラワー協会(JAFA)理事でもある坪内 裕子さんにお話を伺いました。

初めてフラワーアレンジメントの世界を知ったきっかけは?

1984年頃、当時務めていた会社の福利厚生で華道部作ろうということになり、総務部だった私は華道の先生を探す担当になりました。
先生をお招ねきして、スクール形式で生け花をやっていましたが、参加率が悪くて…。
そのことを先生に相談していたところ、「最近フラワーアレンジメントというのがあるんだけどどうかな?」と教えてもらいました。
まずは試しに月3回のうち1回をフラワーアレンジメントにしてみたら、参加率がどっと上がったんです!華道部を作ることから始まって、フラワーアレンジメントというものを知った。
ホント偶然な出会いというか、それがきっかけですね(笑)

その後、フラワーアレンジメントとはどのように関わっていかれましたか?

その頃がちょうどフラワーアレンジメントのはしりの時代で、「フラワーアレンジメント」という言葉がOLの間でも話題になっていました。仕事の合間に参加していてとても楽しかったし、先生といろいろ話しているうちに「私もこんな素敵な先生になりたいな」と思うようになりました。
その後結婚し、名古屋から大阪に移ってから、「主婦って暇だな~、どうしようって(笑)」
主人が転勤族ということもあり、どこでもやれる“全国ネットの資格”がないか探していました。
その時、OL時代に“フラワーアレンジメントの先生”に興味を持っていたことを思い出して、NFD認定校に通うようになったんです。

たくさん選択肢がある中で、フラワーアレンジメントを選んだきっかけは?

すごく単純かもしれませんが、プレゼントした時に喜んでいただけたことですね。
自分が作って満足するだけでなく、差し上げたり、作品を見ていただくだけでも喜んでくれたりと驚くことばかりでした。
最初は「やるからには資格を取ろう!と思って始めたわりには、自分が教えるということや、スクールを開こうなんて意識はなくて(笑)」
でも、楽しくて資格の取得を徐々に進めているうちに、有り難いことに、周りから「教えてほしい」とチャンスをもらうことができたんです。
そして、「私でも先生になれるんだ!でも、せっかくやるならちゃんと!」って考えるようになりました。

スクールをやってこられて、一番大変だったことはなんですか?

フラワースクールは、特にきちんとしたシステムやルールがないことですね。とっても自由なんですが、それが逆に困った点です。
資格を取得した後も、周りに「教えて教えて!」と言ってもらえたのですが、「花の名前もわからない私でいいのかな?」と不安に感じていました。
それでも今できる精一杯の努力をしようと思って、花屋さんで恥をかきながら「これはなんですか?」「この花の旬はいつですか?」
と質問したり、時には市場に連れて行ってもらいながら勉強しました。
今考えると、何も知らなくて無鉄砲で(笑)

そのような経験から、“自分で考えないとスクールは出来ないんだ”ということに気が付きました。
すべてはルールのないところからのスタート。料金設定もどうしたらいいのか、開講する場所もない。そんな様々な「?」が、フラワーアレンジメントスクール作りでの初めのハードルでした。
また、そのハードルを越えられても、継続することやそれで生計を立てていくことはとても難しいと思います。

海外でも学ばれたようですが、国内外のアレンジメントの違いで驚いたことは?

そうですね、一番驚いたのは花材に関してです。ドイツでもイタリアでも、「花材を自分で持ってきて。」と言われたんです。正直びっくりしました!だって、日本では全て用意してくれて、通うだけなんですもの(苦笑)
「来週はこんなのやるから、花材はこういう感じの持ってきて。」とイタリア語で言われてもわからないので、「FAXをしてください」と頼んで、花屋さんに教えてもらいながら持っていったところ、先生に「この花材は良くないわ。」と言われてしまい(苦笑)どうしよう~と思っていたら、隣の人が「これ使ってもいいわよ!」と貸してくれて、何とか乗り切ることができました。
そのような体験から、花材を用意してくれて、手とり足取り丁寧に教えてくれる日本のスクールは“親切すぎる”のかもしれないと感じました。
基礎を学び、資格を取ることが正解だと考えていた私にとって、自分の感性を初めて試された気がして、何より楽しくて、やっと自分に自信が持てるようになった貴重な経験でした。
基本的な理論やテクニックを学ぶことは、当然大切なことですが、それをベースにして、自分らしい感性とは何かを考え、探すことも、花を楽しむためには、大切なことです。
そんな経験をふまえ、アンレーゼでは「自分で考えることの大切さ」を念頭に置いてお教えしています。
でもここは日本なので、初心者の方には、花材をちゃんとご用意していますよ。ご心配なく。(笑)
限られた上級者の方だけに、実践しています。

アーティフィシャルフラワーの協会を作ろうと思った理由は?

スクールを開講したとしても、やり続けないとこの業界はなかなか利益にはつながりません私もここ最近やっと仕事と言える状態になりましたし(苦笑)。
だから出来るだけ短期間に、フラワーアレンジメントを仕事にしたいと考えている方々にお役に立つ協会を作ろうと4人で盛り上がったんです。
また、アーティフィシャルフラワーはスクールだけでなく、ディスプレーやブライダルなど、お仕事としての可能性が広がる花材だと感じました。

JAFA協会設立に関してお聞かせください。

夏場など、生花の生徒さんに、アーティフィシャルフラワーを使ったレッスンを、以前から時々やっていたんですが、とても反応がよく、もっとやってほしいというご意見が多くなってきました。
そこで、生花とは別にアーティフィシャルフラワーコースを自分のスクールで開講したいと考え、ちゃんと専門に教えてくれるところがないか探したところ、なかったんです。

私と同じようにスクールを主宰している3人に相談したら、やはり同じようなことを思っていて『なかったら自分たちで作ろう!』っと言うことになったんです。
でも、今までなぜ造花の協会がなかったのかというところが引っ掛かりました。確かに生花のアレンジメントを応用すれば、造花も生花同様にアレンジできるかもしれません。生花の協会があれば、造 花の協会は必要ないのかもしれません。でも、生花と同じではダメなんじゃないか、扱い方を変えなければ商品として価値がないんじゃないかとない知恵を絞り、4人で考えました。
アーティフィシャルフラワーの正しい知識と技術を持った上で、生花で学んだフラワーデザインの知識を生かすことができたら、今までにないアーティフィシャルフラワーの可能性が見えてくると思います。
スタートした当初、受講いただいたフラワーアレンジの経験者の方々から、「このカリキュラムって画期的じゃない?」と言っていただいた時に、これでいける!って確信しました。
まだ知名度もありませんが、JAFAという協会を通して、少しでも多くの方がアーティフィシャルフラワーの楽しさを知ってくださって、お仕事に役立ててくだされば嬉しいですね。

JAFAの認定資格試験について教えてください。

実技試験と筆記試験にはとてもこだわりを持っています。全国各地から大変な思いをして、みなさん東京と大阪の試験を受けに来てくださるんです。
そういった方達のためにも、もっと生徒さんや講師の人数を増やして、全国で出来るようになりたいですね。
試験の感想を伺うとすごく大変だったとみなさんおっしゃいます(苦笑)でもそれが裏を返せば自信つながるんです。これをクリアできたら自分の自信になりますし、試験会場で一緒になった方とも一体感が生まれます。
『頑張った分、次へのステップが大きく踏み出せる気がします』そういった声を聞くとすごく嬉しいですね。

最後に、フラワーアレンジメントに興味を持っている方々にメッセージをお願いします。

遠いところに目標を持って、ゆっくりじっくり一つのことを続ける努力をしてほしいな~っと思います。遠い目標でも、見失わなければ いつか叶うものです。私もOL時代にちょっとひっかかっていた、「やっぱり花だよね!」という気持ちが積み重なっていたから今があるような気がします。自分がこれだって思ったことをやってみる。
また、私は、花を通じてとっても素敵な先輩方にたくさんお会いすることができました。そのたびにあんな50代・60代になりたいなと思ってきました。
私も気がつくともうその50代です。でもまだまだこれからだと思っています。(笑)
素敵な女性であり続けるその方法としてフラワーの世界を選んでいただけたら嬉しいですね。がんばってください!

坪内さんインタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。

  • flower studio Anlasse(アンレーゼ)
  • 日本アーティフィシャルフラワー協会理事校
  • TEL&FAX:03-3712-1061  
  • アクセス:東急東横線または日比谷線 中目黒駅から徒歩7分
  • URL:http://anlasse.com/
  • 日本アーティフィシャルフラワー協会:http://jafa-net.com/af.html